Harmony of Life
2012年 02月 29日
それとも単に自分が歳を重ねたという証しに過ぎないのだろうか。
近頃、何のために生きているのだろう?という自問自答を繰り返す。
運よくここまでこられたのだから、生かされていると言ったほうが正しいかもしれない。
この謎掛けのような問いは、突如今になって考えるようになったわけではなく、もちろんこれまでも幾度となく僕の頭の中を支配して、そしていつも答えが見つからないまま薄れていく類いのものであった。
それでも今回はどこか、長年の胸の奥のつかえを取りたいと思っている自分がいる。
自分の人生なのだから幸せになることが生きる意味だ、と言う人がいる。
確かに以前は、そんなものなのかもなぁ〜と感じていたが、それでもどこか違和感があった。
幸せってのは人それぞれなので自分がそう感じられればそれでいいのだろうが、じゃ幸せって何なんだよ!?という気持ちも浮かぶ。
充実した仕事?安定した生活?満足感?
すべてが曖昧だしピンとこない。
人間の欲というのは海よりも深いと感じる。
満足感なんてきっと一瞬の感情に過ぎないのではないのだろうか、と思ったりもする。
そう考えると、幸せを求めて…なんてのはただの自己満足で、次から次へと欲望を追い続ける醜いことに思えてきたりする。満足は悪いことではないが、今の僕には納得のほうが大事である。
それに幸せという表現は、誰かの幸せを願うというように、自分以外に使うほうが美しいのではないか。
答えが見つからないならそんな難しいことを考えるのは止めればいいではないか、と忠告してくれる友人もいる。お前は哲学者でも宗教者でもないではないかと。
もちろんそうだ。
それでもようやく自分の弱さを認められるようになったいま、目標というか指針というか、何か分かりやすくシンプルな道案内が欲しいのかもしれない。
はたまた、人は皆パーツの一部なのだと言う者もいる。
これには相当反発をしてきた。人の存在が部品であるわけはないと。
しかし役割という意味で捉えると、以外にしっくりくる自分がいる。
人それぞれには役割があって、それに気付きまっとうするために生かされているのではないだろうか?と考えると、長い間腑に落ちなかった「死」というものについても少しは合点がいくのだ。
語弊はあるが、人が死ぬことによって何らかの役割を果たすという意味で、である。
親や友人の死はとてつもなく悲しくてやるせないものであったが、彼らの死には意味があったのだと考えると、少しは悲しみが和らぐ自分がいる。
答えや意味など関係無く生と死は一対で、生まれたからにはいつか死ぬ、それが自然の道理なのだと片付けるのも癪に障るではないか。
役割について考えてみる。
自分だけのためなら役目など不要であるから、おそらくは誰かのため何かのための役目なのだろう。
自分が音楽に携わっていることに関してこれまで何度も、それは音楽への恩返しなのだとか、それが使命のような気がするとか言ってきた。
ならば何故使命だと思うのか深く心を掘ってみると、そこには音楽に救われた自分、音楽仲間に救われた自分がいる。
もし同じように音楽が必要な人がいるなら、自分が媒介できるのではないだろうかと思ったのだ。
それなのに元来の負けず嫌いな性格も手伝い、上を目指すとかスキルアップするとか成功するとか、そんな自分本位な想いで仕事に取り汲んできたかもしれない。
僕のような仕事に優劣順位など本来無いにもかかわらず、スポーツ選手のように一番を目指して自分のやりたいことをひたすら追い続けてきたのである。
でも例えばそれが実現したとして、その先にあるものはいったい何なのだろうか?
そう考えが至ると、仕事だけに留まらずすべてのことへのスタンスが、少しずつではあるが変化してきた。
自分がやりたいからやるのではなく、いま自分が出来ることの中で誰かの役に立つ(といっても大袈裟なことではなく、喜んでもらったり笑ってもらったりする程度で十分なのだが)ことをコツコツやるべきだ!と思うようになった。
偽善だと笑われるかもしれないが、真剣にそう思う。
それには腕を磨いて常に準備しておく必要があるという点ではこれまでと何ら変わらないが、根底が違うとこんなにもエネルギーの質が違うのかと実感する。
子供の頃のマラソン大会を思い出す。
スタートから飛ばしてその勢いで走りきる僕の戦法では、残り5分の1くらいで必ずバテる。
それでもその辺りの位置に応援の人がいたりすると、また踏ん張れてゴールまで走ることが出来た。
それが好きな子だったりしたら、それはもう百人力だったのである(笑)。
僕なりの結論。
他の様々なパート(役割)と共鳴するために、自分のパートに沿った行動をすること。
パートとパートが共鳴すると、どうなるのか?
何らかのハーモニーが奏でられるはずである。
世の中がハーモニーであふれたら、どんなに素敵だろう。