佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


by higemodern
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Whisky Man Again〜古市コータローin仙台レポ

今回の仙台はスペシャルだからさ、これまでとちょっと違う感じを出したいんだよね。と言っていた本人の希望に添って、珍しくジャズナンバー(Vince AndrewsLove oh love)をオープニングSEにした。軽快なスウィングビートにのって主役が片手を軽く上げながらステージへと登場すると、フロアから大きな拍手が起きる。


「ありがとう。きょう弾き語りは何回めかなんですけど、ちょっと今なかなか味わったことのない光景で()。高いのかな、ステージが。みんな立ちたい?大丈夫?(客席から大丈夫!の声)オーライ!OK」僕はタイミングを見計らって1曲目「のらりくらり」のリズムトラックをCut Inさせる。

Whisky Man Againと題した古市コータロー弾き語りライヴin仙台は、こんなオープニングで始まった。

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3曲が終わるとこう切り出す。

「今日は、去年の12月にツアーをやりまして、それのなんていうの?あれ、なんつうんだこういうの。何?(客席からリベンジ!)そう、リベンジだよ()。仙台リベンジということで来ました。なんか台風の情報とかあって、えーまたぁ!?みたいな、やばいかなと思ったんだけど、今日は無事に来れてまずはよかったと思います。去年来てくださった方もいると思うんですけど、札幌の次が仙台ということで、札幌はギンギンに晴れてたんですけど飛行機がないということで全然こっち来れなくて、やっとの思いで来たんだけど、でもそんときも我々の乗った飛行機しか飛ばなかったというね、ほんと危ない。あとでもうゾッとしたけどね。そん時はゾッとする暇もなかったんだけど。まぁそれでライヴは出来て、そういう状況のライヴだからなんていうのかな、皆さん気持ちがひとつになり(静寂の客席)なってないのかよ!()もうほんとに心に残るライヴになったんですけどね。でもやっぱりこうノンストレスで来てさ、やぁどうもどうもって感じでやりたいなって思ったのが、今日のライヴなんですね。こういうトリッキーなタイミングで仙台来ましたが、まぁひとつヨロシクということで、今日は最後までお付き合いください。」

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多くの方から中止や延期ではないのになんて律儀なという言葉もいただいたが、帰りの都合で途中退席した方もいたし、何より皆さんを長時間待たせたということ、そしてきちんとリハ(気持ちも含めた)など準備が出来ないままライヴを見せてしまったという不本意さが僕らに残っていたのである。

アクシデントによる電話中継や公開サウンドチェックというレアな状況、ライヴ自体や音も通常とさほど変わらないクオリティーではあったのだろうが、そこはやはりリベンジしたいとあの時から考えていたのだ。この企画を持ちかけたとき二つ返事で「うん、やろうよ!」と快諾してくれたコータローだが、レコーディングなど厳しいスケジュールの合間を縫って仙台に来てくれて、その優しさと男気がこの日の会場には充満していたように思う。

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セットリストは上記写真(私用PAセトリ資料)の通りだが、昨年のツアーと今年5月のBDライヴのものを混ぜ合わせ、さらに新しいものを盛り込むという美味しいとこ取りのメニューだ。1曲目にリズム同期を持ってくるのも実験とはいえ斬新だったのではないか。

オリジナル曲の弾き語りクオリティーは5月よりさらに饒舌なニュアンスが増し、表現の幅が広がっている。ギターに関しての腕前は説明不要だろうが、単なるギタープレイではない部分の弾き語り特有のダイナミクスというか、自分の歌に対してのアコギの位置関係がより明確になっていたと思う。これは弾き語りというスタイルを完全に手の内に入れ進化させたものだろう。歌は完全にボーカリストとしての声と化している。回数が少ない上に半年ほどでここまでなるだろうかと、コータローの鍛錬とミュージシャンとしての勘の良さ(感覚の鋭さ)に恐れ入る。

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MCでは、早朝ラジオ体操に通い昼はアイスを食べるという、子供のような夏を満喫している様子を話してくれる。また、シャンプーを付けずに髪を洗っていたり、紅生姜が食べたくて牛丼屋に行ったのに紅生姜を乗せるのを忘れたりと、最近のボケっぷりっも告白。暑いからかなと言っていたが、歳のせいもあると思うよ、コータロー。だって俺も最近そんなのが多いもの()

暑い繋がりで急に思い出したのは中華屋の外国人。片言の日本語で「アヅイから〜」とラーメンを運んでくるとう思い出話も聞かせてくれた。

恒例のカヴァーコーナーではボツになった曲と共に若大将の「海・その愛」をワンコーラス。珍しく本牧ブルースの歌詞をど忘れしやり直す場面もあったが、あれはあれでお茶目な感じが出ていて悪くなかった。


まぁそんなリラックスムードで、2時間のライヴはあっという間に終了してしまった。

本人も言っていたが、本当にこのライヴをやってよかったと僕もそう感じている。音のほうでリベンジできたこともそうだが、地元である仙台・東北に何か新風や面白いことを提示することで、まわりの人が楽しんでくれてそれが故郷と音楽への恩返しになるとといいなぁと、ここ4年やってきているのだ。


仙台ではなかなか集客が厳しく、もちろんそれは自分の力不足なのだが、集客がないと経費の問題で希望の会場が借りられなかったり東京や大阪から演者を呼べなかったりという制約が付きまとい、最近は仙台でのイベントをうまく仕掛けられないでいた自分なのでなおさらである。

きっと地方に住む音楽好きの共通な感情として、東京はいいなぁ〜という思いがあるのではないだろうか。音楽カルチャーならほぼ何でも揃っていることは、とても羨ましいことだ。それでもコンプレックスをバネに地元(地方)を盛り上げようと頑張っている人が沢山いるし、僕もその中の一人として何か貢献出来ないだろうかという思いは強い。

話が脱線してしまったが、だからこそ「マジな話なんだけどDNAなのかなんなのか、東北にくるとホッとします。」というコータローのMCには、僕も含め勇気付けられた東北人がたくさんいたのではないかと察するのだ。

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そして開演直前にステージに上がりギターのチューニングをしてくれたのは、Going

Under Groundの松本素生くん。だいぶ前からコータローさんの弾き語り見たいから本人には内緒で仙台に行こうかなぁ〜と言ってくれていたのだが、前日イベント出演した会津から高速バスで本当に来てくれた。昼過ぎに仙台に着くというので迎えに行き一番町のカフェモーツアルトで珈琲を飲みながら談笑したのだが、これもまた素敵な時間だった。彼の熱い音楽愛や温かい人間性に触れることができた。


素生くんが頃突如会場に現れたときのコータローは本当に驚いた様子だったが、とても嬉しそうでもあった。セッションでもという会話になるが、急にやるには音合わせの時間がないということで、スーパーローディーとしてチューニングに出ることになった。せっかく来たのだから声も聞きたいと思う反面、なんとも贅沢でマニアックなサプライズだなとも思いニヤリとしてしまう。

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この日はお手伝いに友人らも数人来てくれた。関西からデザイナーのC子、フリーパーソナリティーの富岡浩美ちゃん、チェリストのMMさん、盛岡のMOD345号くん、いつもありがとう。現場の雰囲気を体験させたいと教え子のK平も連れて行ったのだが、リハ中にそれを知ったコータローが「ステージに上がっておれのギター弾いてみろよ!」というナイスな一場面もあった。緊張しながらアコギを引くK平は「プロのギターと音響ってこんなにいい音するんですね」と感激している。いい経験になっただろう。それと好意的に会場を提供してくれいろいろ協力してくれたClub Junk Box店長の板橋くん、そしてスタッフのみんなもいつもありがとう。

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打ち上げは行きつけの店で。別会場でライヴだったクハラカズユキ、うつみようこも乱入し店の半分を占拠し盛り上がる。途中どうしても食べたいという素生くんのために僕とコータローと3人で中抜けしていつものラーメン屋へ。どう?美味いだろ!と自分の店のように言うコータロー。素生くんんも、これは間違いないっすね、とスープまで飲み干す。このラーメン屋の親方は職人気質で愛想が良いほうではないのだが、よく連れていくコータロー(コレクターズ)を応援してくれている。先日コータローから、オヤジにプレゼントしてくれと頼まれTシャツとソロCDを渡したのだが、この前はなんか豪華な頂き物しちゃってスンマセン!と満面の笑み、そんな親方もレアだった。

打ち上げの店に戻り店内に流れるアラバキ2015の映像を見ながら、ワイワイと焼酎やワインのボトルを次々と空にしたのだった。


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昨年の初弾き語りツアー2本目でのアクシデント、「あれで本当に強くなったし、おれの人生に用意されていたことなんだね。」と語ったコータローだが、マイナスをお釣りが来る程プラスに転換していくエネルギーとパッションは、やはり凄いと思うし見習わなければと心に念じる。


そういえばあの日はチョーキーも見に来てくれてライヴ後この店で飲んだなぁ。楽しかったが、精神的肉体的疲労と安堵感で僕らは放心状態だったことを思い出す。豪快に飲みまくる今宵は、そういった意味でもまさしくリベンジ遂行となったのであった。

来てくださった皆さんも素敵な余韻を楽しんでくれていればいいなぁ〜と思いながら、夜風に吹かれて帰路につく。

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*****

次回はこちらでお会いしましょう!

THE COLLECTORS tour 2015 “Super Duper”

10/31 青森:Quarter

11/1 仙台:ClubJunk Box




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by higehiro415 | 2015-08-19 09:49 | ライヴ