佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


by higemodern
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紙ヒコーキに乗せて。

約2週間のAcoustic SMILE西日本ツアーが終わり、いま仙台に戻ってきた。

今朝、ホテルチェックアウト時のロビーに2人がいないというのが、何だか変な感じがした。

達ちゃんの「ヒロ兄、おはようっす!」というさわやかな声と、信ちゃんの「おいっす~」という滑らかな低音が今日からは聞けない。

ライヴが無いという事よりも、そんな朝の始まりの変化が寂しかったりする。

昨日の浜松。
移転したばかりのLive House「窓枠」は小さな劇場のような作りで、個人的には好きな雰囲気の会場であった。
PA機材もピカピカだ。

ライヴは地元ならではの割れんばかりの大声援を受け、2人が星の如くキラキラ輝いた。
名古屋に引き続き感動的な場面が何度もあった。

バンドを休止して各々が別々の道を歩き、ここでまた再会し大歓声で迎えられている。
昔とは違った音と形だけれど、昔と同じSMILEの音楽で多くの人に受け入れられている事実。

言葉では言い尽くせない感慨深さがあっただろうことは、想像に難くない。

信ちゃんが涙で唄えなくなったことや、達ちゃんがギターソロで急に立ち上がり弾きまくったのも、いろいろな想いが詰まってのことだと思う。

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会場を舞う幾つもの紙ヒコーキを優しく見つめていた2人の眼差しが、胸に焼き付いて離れない。

僕も2人にありがとうの気持ちを込めて、昨日はお客さんと一緒に紙ヒコーキを飛ばしてみた。

後ろだしわからんだろうと思っていたのだが、後で信ちゃんに「今日、紙ヒコーキ飛ばしてたでしょ!ステージから見えてグッときちゃったよ~」と言われ、
なんか照れくさくて「いや、2人にぶつけてやろうと思ってさ」と答えておいた。


ここまで書いて、ようやく終わったんだなぁ~と実感が湧いてきた。

自分の役目は果たせたのだろうか?各地の皆さんにイイ音でSMILEの音楽を提供できただろうか?

いや、今はそんな事を考えるのは野暮だ。

3人でのMagical Mystery TourならぬMagical Smiling Tour、ほんと最高に楽しかった。
今はそれだけで満足ではないか。

書ききれなかったことが山ほどあるが、こんなに笑ったり笑わせたりは久しぶりだったし、このツアーで芽生えた友情は僕にとって今後の人生の大きな励みになるだろう。

そして浅田信一、鈴木達也。
音楽はもちろん、何よりその人間的な魅力にノックアウトされた旅でもあった。

いつも僕らを気遣ってくれた信ちゃん、移動中助手席で一度も居眠りせず運転手の相手をしてくれた達ちゃん、そして会場で声をかけてくれた皆さん、本当にありがとう!
感謝、感謝である。

札幌、そして東京ファイナルの日は「ジグソーパズル」を演奏してる時間を見計らって、別の仕事場から心の紙ヒコーキを飛ばそうと決めている。

また会いましょう!

love & paper plane.


P.S.
それにしても最後に食べた浜松のうなぎ、旨かったなぁ~。
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by higehiro415 | 2010-03-29 15:06 | 日記 | Comments(0)

Acoustic SMILE@Nagoya

昨日は名古屋ell.SIZEに音楽の神様が舞い降りた。

前日入りしていたためホテルをチェックアウトしてから、会場近くで時間をつぶす事になった。

大須観音へお参りし、商店街をブラブラ。

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コメ兵(超デカいリサイクルShop)で楽器や古着を見たり。
さらにA氏が靴下を買うというので、10代の子しか入らないような奇抜な洋服屋に付き合ったり(なかなか恥ずかしかった)。

ランチはライヴ前だということで、みそかつは重いよねぇ〜と判断し、寿がき屋でさっくりラーメンを食べて会場に入った。


ell.SIZEは過去に他アーティストの仕事で何度か行っている場所である。
なかなかの機材を揃え、作りにも工夫があるコンパクトな小屋だ。

しかし正直あまりいい思い出がなかったのも事実であった。

デジタル機材特有の音に苦労したり、デッド(音が吸音されて響かないこと)すぎてアコースティックだと迫力のある音が難しかったり、
安全防止の鉄柵が座りの客席とステージの精神的距離を感じさせるので一体感が出しづらかったり。

リハ中にはちょっとした機材トラブルもあり、メンバー2人と覚悟しながら臨んだ本番だったのだが・・・

SEが鳴りステージにA.SMILEが登場すると客席から黄色い歓声と大きな拍手。
1曲目のイントロが奏でられると一瞬にして会場全体がGrooveに包まれるのが、一番後ろのPAブースから見ていてすぐにわかった。

その瞬間「このライヴはイイものになる!」と直感した。

演奏もお客さんのノリ(これ大事!)も良く、照明の人もいい感じを演出してくれて、僕も狙った感じの音を出せた。
こうなると後は加速していくだけである。

そしてアンコールで遂に音楽の神様が舞い降りて、言葉では言い表せない感動的なシーンが訪れたのだった。
(これは目撃した人の宝物にして欲しい)

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数えきれないほどのライヴに関わらせてもらってきたが、こういう感じは本当に100回に1度あるかないかだ。
ツアー終盤にして何かいくつもの要素が重なったのだろう。


終演後は余韻に浸る間もなく浜松へ車を走らせる。
打ち上げは居酒屋で浜松餃子などを食べ、A氏が学生時代によく通っていたという素朴なラーメン屋でしめた。

3人とも今日の浜松でこのチームが終わる寂しさを隠すように、誰もそこには触れずにお開きとなった。
その青臭く男臭い感じが、またたまらなくキュンときて心地良かった。

今夜の2人の凱旋地元ライヴ、精一杯楽しみながら音を作りたい!

love & miracle.
by higehiro415 | 2010-03-28 10:57 | 音楽 | Comments(2)

ツアーも後半。

さすがに曜日も日にちも、昨日どこに居たのかも麻痺してきた。
現実なのに非日常的な感覚が続く。

体も頭もすっかりツアー仕様になったようだ。


24日の神戸は雨で寒かった。

それでもSMILEのライヴは熱く、終演後にライヴハウスの主人に連れて行かれた鉄板焼き屋では、名物おばちゃんの漫才のようなトークが疲れを癒してくれたのだった。


その名調子に合わせ僕らの礼儀をわきまえた際どいギャグも炸裂し「これまで音楽やってる人たちいろいろ来はったけど、あんたら最高に気持ちええわぁ~。応援するで!」と褒められた。


そして昨日の京都。
恒例のご当地ラーメンは・・・もちろん食べた。


都雅都雅でのライヴはそのスープの色同様に、非常に濃厚なものになった。
(ただ味はというと見た目とは裏腹に繊細でさっぱり!そこも似ていた)

本人たち、すごくやりやすくてテンションが上がったようである。
こっちまで嬉しくなってくる。


今日は名古屋への移動日。
今の僕らには走行距離160kmなど楽勝だ。

到着してすぐに、さっそく味噌煮込みうどんにありつく。

店を出ると偶然にも古市コータロー氏から信ちゃんに電話が入り、ついでに換わってもらい来週末の打合せを済ませることができた。

ホテルは昨日とは違い、すこぶる快適!
少しだけどツアー初の昼寝もできたし、久しぶりのOFFモードである。

僕の役目も、寂しいけれどあと3日。
浜松まで2人とお客さんのためにイイ音つくらなくちゃ!


いまは来週末のThe CollectorsみちのくツアーのPA資料を作りながら、今夜の夕飯(手羽先かな?)に備えているところだ。

love & mind trip.

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by higehiro415 | 2010-03-26 18:20 | 日記 | Comments(0)

職人。

少し前に、新しい自転車を買った。

本物かどうかは定かじゃないが、「UNITED COLORS OF BENETTON」とロゴが入った、ホワイト&レッドのシティサイクルだ。

ちょっと値段は張ったが、いろいろ見て回った中でも、 ダントツに見た目が気に入った。

しかし、某有名安売り量販店(ドンキね)で買ったため、当然細部の調整などされておらず、
レーキも効かなかった。

近所の、昔からある町の自転車屋にみてもらった。

「これ買ったばかり?ひどいなぁ~」と店主の一言。
「ちょっとだけお金頂くけど、基本調整する?」
「も、もちろん!お願いします。」

そっからが見事だった。さすがチャリ屋のオヤジ!
芸術的かつ矢のような素早い動きで、次々と調整していく。
うっとりと見取れてしまいました、はい。

最近では、どんな業種でもハイテク化が進み、 職人のアナログ技は重要視されにくくなってきている。(安けりゃイイとか、無難ならイイとかさ)

僕のいる音楽/音響業界でも同様だ。
経験と腕で仕事をしている自分にとって、 それは居場所がないような存在意義がないような、なんとも物悲しい感じだなぁ~と凹む要因になったりする。

でもね、やっぱり職人は必要なのだ。
その技を目の当たりにすると、そう確信せざるを得ない。

調整が終わったMyニューチャリは至極快適で、 何より気分的に晴れ晴れとしたのが大きかったのか、 帰りは自動車と競うほどのスピードでかっ飛ばした。

筋肉痛になったけど・・・(泣)

だから自分もどんな状況(環境)であれ、全力を注ぐことを忘れちゃいけないのだ。

ありがとう、チャリ屋のオヤジ!
大切な事を思い出したぞ~!!

love & my best.
by higehiro415 | 2010-03-24 13:08 | 日記 | Comments(0)

ツアー考察

ツアー中の日記は食べ物ネタが多いが、ただ旨いものを食べているだけではもちろんなく、
それ以外のネタがあまりないということと、わかりやすいという2つの理由でそうなってしまうのだろう。

でも普段と環境も場所も違うので、実は自分と向き合う時間が多かったりする。

例えばいろんな街の文化に触れたり、地元の人との交流からヒントをもらったり、
いつもは考えない様々なことを深く感じたり考えたりするきっかけにもなる。

日常と離れているから、余計に別角度から自分を見つめられるのである。

それ以外にもツアーメンバーと友情を深めたり、各地で新しい出会いがあって次の仕事につながっていったり、自分の実力や現実を知ったり。

2~3日の出張では味わえない内面的な刺激を受けることも多いのだ。

そんな事柄もツアーの仕事に関する僕なりの考察である。


視野は広いほうだと自分では思っていても、まだまだだなぁ~…と実感したりするのも、ツアーという仕事のおかげだったりするのだ。

ツアーは偉大なり!

love & tour.
by higehiro415 | 2010-03-23 10:49 | 日記 | Comments(0)

Hiroshima

昨夜のA.SMILEの広島ライヴは楽しい仕事だった。

今回のツアーはほとんどがライヴハウスなのだが、昨日の会場である広島OTISは、テックスメックス系のソウルフードを出す飲み屋さん風情。

非常にファンキーなマスターがギター弾きらしく、店内にちょっとしたPA設備があり時折ライヴをやっているようだ。

ちなみに店の名OTISはどのOTIS?と尋ねたら「オーティス・ラッシュ」だそうだ。


正直この機材でまともな音が出せるのか?というのが、古い店内に足を踏み入れた最初の感想。


しかし!

おそらくは長年の音楽愛と魂がたっぷり染み込んでいるであろう空間の音の響きは、とても暖かく素晴らしかった。

A.SMILEの2人も非常に気持ち良さそうで、ライヴが終わってビールを飲みながら「設備が揃ってるからイイ音が出るわけじゃないんだよなぁー」と、A氏と音楽の不思議を再認識。


そんな当たり前だけど大切なことを思い出させてくれた、貴重な夜になった。

お店のマスター&ママとも意気投合し、今度お店のPAシステムの相談にのることにもなった。

これも旅の醍醐味である。

ホテルも快適だったし、いいね広島!


love & carp.
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by higehiro415 | 2010-03-20 18:16 | 音楽 | Comments(0)

一路広島へ、

移動中。

ところで旅を快適にする要素は食べ物ばかりではない。

人によって様々だろうが、寝るところ…ホテルの部屋の感じが自分にとっては重要である。

特にツアー中はホテル住まいになるので余計に気になる。

移動してライヴ会場で仕事し、打ち上げで夕飯を食べるのが通例なので、ホテルに戻って一息つくのは深夜1時くらい。

寝れればいいだろ、とは思うものの、移動から打ち上げの店まで全てがアウェイなので、ホテルの部屋くらいはやはり落ち着きたい。

ただ仕事となると自分で宿泊予約をする訳ではないから、部屋に入ってみないと居心地はわからない。

ネットで調べたりもするが、現実と違う場合が多いので困る。


単純に建物が立派だとか料金が高いからイイとは限らないので難しい。

清潔感、内装、空調、枕、騒音が僕の中の5大ポイントだ。

意外に神経質なので何かが気になるとヘトヘトでも眠れなくなり、翌日の仕事のキツさが倍増するので要注意である。


大阪は繁華街にある古めのビジネスだったが、なかなか落ち着けた。


さて、そろそろ交代して運転しようかな。


love & stay.
by higehiro415 | 2010-03-19 11:09 | 日記 | Comments(0)

T君。

5年前のオープン以来行きつけのカフェがある。

そこのホール担当T君が今月いっぱいで辞めるというので、先日ランチを食べがてら顔を出しに行ってきた。

まだ33歳と若いし客商売の才能もあるので、いつかは独立していくのだろうなと思ってはいたが、いざ辞めるとなると寂しいものである。

そのカフェは街からだいぶ離れた場所にあり、たまたま車で通りかかって見つけたのだが、入って30分後にはファンになっていた。

ヨーロッパアンティーク調の内装も好みだったが、天才シェフが作る料理が抜群に個性的で美味しかったし、何より人懐っこいT君と雑談を交わしているうちにすっかり仲良くなってしまったからだ。

オープンして間もない頃はまだお客さんが少なく、昼間からビールなぞ飲みながら新作料理の味見をしたり、宣伝の相談にのったり、音楽による空間演出について講釈を垂れたりしていた。

まぁ程なく店の持つ魅力が口コミで広がり有名になっていったのだが、そんな時もT君はマメにメールをくれた。

「カップルが多い時にかけるロマンチックなCD作って下さい!」とか
「イベントやりたいので知恵を貸して下さい!」とか
「店内で花見やりたいので桜の木を譲ってくれるとこ教えて下さい!」とか。

図々しいのも困り者だが、あっさりし過ぎの草食系はもっと酷いと感じている僕には、放っておけない弟みたいな存在だったのかもしれない。

2人の絆としてしまっておきたいので公表はしないが、独立のために辞めると先日送られてきたメールには、心打たれる言葉が綴られていた。

しかし本人に向かって寂しいなどとは断じて言わない。

Boys be ambitious ! 
夢に向かっていく若者を引き続き応援するのみである。


この話のついでにもうひとつ。
よく行くハンバーグ屋さんとかラーメン屋さんとか、個人経営で跡継ぎや弟子もなく切り盛りしている店が何軒かある。

もし、おやじさんが倒れたり亡くなったりしたらどうなるのだ?と、よく思う。
誰かが店を継いだとしても、この味は消えてしまうのかと何とも言えない想いに囚われる。

おそらくは先のことなどあまり考えてなくて、いまの技を全うすることに必死なのだろう。
もしくは自分の味は自分にしか出せないと考えているのかもしれない。

自分も職人の一人であるから気持ちはよくわかる。

それでもファンがいる以上、こちらの勝手な言い分ではあるがこの味を残して欲しいと願う。
無くなってしまったら楽しみが減ってしまうではないか!

この世で無くなってしまってもいいものは、エゴによる憎しみと争いだけなのだ。

Love & Dreary...
by higehiro415 | 2010-03-18 09:47 | 日記 | Comments(0)

ツアー前の密かな楽しみ

明日から本格的にSMILE~Go Around Tour~に突入だ。
まずは仙台~東京へ。
そこで2人と合流し大阪へと車を走らせる。

荷物の準備やら仙台に残して行く仕事の段取りは面倒だけれど、ひとつ密かな楽しみがある。

会場やスピーカーのサウンドチェックに使うReference CD、例に漏れず今回も明日からに備えて、今の気分とSMILEツアーに合う曲をチョイスして2010年春版を作り終えたところである。

この作業が僕にとっては至福のときなのだ。

いつもは6曲くらいなのだが、今回は旅の車中でも聞けるように15曲入りにした。

下記がその曲目リスト。

01.Nothing But A Miracle/Diane Birch
02.Different Light/Steve Winwood
03.Full Moon Fever/Dr Robert
04.Happy Hour 6 To 8 Pm/Clémentine
05.Before I Go/Farryl Purkiss
06.Where Were You When I Need You/Al Kooper
07.Love's In Need Of Love Today/Joan Osborne
08.Happier Than The Morning Sun/Stevie Wonder
09.Daydreaming/Lady Lynette & The Spokesmen
10.I'll Be/Georg Levin
11.Muse 2 The Pharaoh/Prince
12.You Been Away Too Long/Marlena Shaw
13.Pretty Thing/Justin Grennan
14.More Than Enough/Linda Lewis
15.A Strange Arrangement/Mayer Hawthorne

いや~イイ感じに出来たので、やる気倍増!
いざ出陣。


Love & Go around !
by higehiro415 | 2010-03-16 23:18 | 音楽 | Comments(0)

あるタイ人。

久しぶりにタイ式マッサージへ行った。
毎日のPC特訓のせいで肩こりがMaxになったからだ。
数ある仙台のマッサージ店の中では、値段、スタッフの腕、店の清潔感などすべてを考慮して、いま一番気に入っているところだ。

そもそもとあるタイ人にナンパされたことで、この店を知った。
出会いはこうだ。
3年前の春、市民広場というところで某アイドル歌手の仕事をしていた時。
音響機材が山積みしてあるPAブースに一人の外国人がニコニコと近づいてきて、こう言った。

「Hello、コンニチワデス」あまり日本語は巧くない。
最初そのアイドル歌手について何か訊かれるのかと思ったら
「Football、スキデスカ?」ときた。
続けて「ワタシ、Liverpoolオウエンシテルヨ」と自分が着ていたジャージを指差した。
なるほど。確かにイングランドプレミアリーグ・リバプールのジャージを羽織っていた。

そして僕はと言うと、たまたま別のチームのジャージを着ていた。
特に好きなチームではなかったが、デザインが気に入って仕事着にしていたのである。
彼(彼女なら話は違う展開になったかもね)は僕がそのジャージを着ていたので、同じプレミアリーグファンだと勘違いし声をかけてきたのだった。

唐突に慣れっこ過ぎやしないか?しかも仕事してるんですけど…とは思いつつ、そのアイドルの歌の下手さにウンザリしていたのに加え、彼の犬のような笑顔を見たら返事をせずにはいられなかった。
それに外国人のこういうフレンドリーな姿勢は嫌いじゃない。

「これ?ファッションだよ。どこの国から来たんだい?」とあやふやな英語で答えると、「ソレ、Good lookingネ。ドコデカッタ?」(英語)とか言いながら、タイから仙台に来ていると教えてくれた。
どうやら仙台のマッサージ店でタイ式マッサージを教えているらしい。

そして「コンド、ミセニキテクダサイ!」と彼がその場を後にした翌週のこと。
どこでランチしようかとチャリンコで走っていたら、道すがらあのタイ人に出くわした。
「ナニシテタ?」
「今からランチだよ」
「オー、イイデスネ。ワタシモタベタイ!」
「仕事中?」
「ミセ、ソコデス。イマ、カイモノ。ナニタベル?」
「なんだ、そこだったんだ。でも買い物中でしょ?」
「チカイカラ、ダイジョブ。パンケーキ、好き?」

何が大丈夫なんだ?と思いながら、そんな流れでホットケーキランチを2人で食べたのであった。

仕事の話やらお互いの国の食べ物の話やらしたのだが、僕が昔ロンドンにいたことがあると言うと「マジ、デスカ~(Really?)」と食い付いてきた。
聞くと彼も日本に来る前はロンドンにいたそうで、あそこのフィッシュ&チップスが美味いとか、どこのフリーマーケットがいいとか、
相変わらずチューブ(地下鉄)はすぐに止まっちまうのか?とかで多いに盛り上がった。

その日から僕はそのマッサージ店にたまに行くようになり、彼からはクリスマスに「Merry Christmas! ヨウジハナイヨ。マタネ」といった電話が来るようになった。

その店は彼以外全員女の子のスタッフなので本来なら入りづらいのだが、彼のおかげで今や皆がフレンドリーに接してくれるので有難い。
今日も「今年もツアーあるんですか?」などといった調子だ。

だいぶ前にスタッフの子から「この前も髭さんを見かけたと彼が嬉しそうに話してましたよ!」と言われたので、思い切って「あのさ、タイ人ってオカマ多いじゃない?彼は、まさか違うよね?」と切り出した。

あっさり「奥さんいますよ、ちゃんと女の人!」

まぁカモフラージュってこともあるが、彼の愛嬌あるDog Smileに免じてこれ以上は追求しないでおこうと決めた。


そんな彼も昨秋母国タイで仕事を立ち上げると帰国し、もう仙台にはいない。
それでも、またそこら辺でバッタリと会えるだろうという予感がする。

縁ある人との出会いは、いつだって何処からか突然やってくる。
きっと、そういうものなのだ。


Love & Thailand !
by higehiro415 | 2010-03-15 08:36 | 日記 | Comments(0)