佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


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MARTIN,GIBSON&ME in札幌レポ

2.11 mon.
浅田信一氏が宿泊したホテルのチェックアウトは10時半、飛行機が13時だったので、どこかでランチでもしてから仙台空港に行こうと前日の帰りに決めた。
朝起きて旅の準備をしているとLINEの着信音が鳴る。最近の僕らはもっぱらLINEでのやり取りが多い。
「時間大丈夫なら上海ラーメンどうすか?」

いいね!と思いながら航空券を確認すると、どういうわけか11:55フライトとなっているではないか。
どこで勘違いしていたのか1時間間違っていたことに気付き、慌てて返信する。
「ごめん。時間勘違いしてた。上海ラーメン無理っぽい」

そんなわけでホテルへ迎えに行きタクシーで仙台駅まで移動、そのまま仙台空港アクセス鉄道で空港へと向かった。
途中の名取を過ぎたあたりから、窓の外は震災の爪痕が残る風景がポツポツと見えてくる。

ぼんやりと外を眺めながら、信ちゃんが口を開く。
「仙台空港って津波でやられたんでしたよね?」
「うん、空港は完全に。もうここら辺も被害に遭った区域だよ。」
「あれニュースで見て、ショッキングな映像だったなぁ。」
「そっか…被災地ってまだ見てなかったのか。」

そんな会話をしながら空港に到着し、さらに空き地だらけの光景を目にする。
チェックインを済ませ、コーヒースタンドでホットドッグをサクッとお腹に詰め込んだ。
「あとは札幌に着いたら旨いラーメン食べよう!」
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仙台〜札幌のJAL便は小型機で、座席は最前列だった。
搭乗して席に座ると「グリーン車も初めてだったけど飛行機の最前列も初だわ。」「おれも。」とか言いながら離陸してさほど経たないうちに、僕らは眠りに落ちた。
うたた寝するのにちょうどいい1時間半で、新千歳空港に到着である。

空港から札幌行きの電車に乗り込むと、どの車両も雪まつりのせいか満員で、仕方なく荷物とギターを抱えながら立ったまま札幌まで揺られた。
札幌駅から大通り公園近くのホテルまでは、よく喋る運転手さんのタクシーで雪まつりのことや今年の冬の天候のことなど聞きながら移動。

部屋に荷物を置き、すぐに約束通りラーメンを食べに外出する。
一昨年、現地のイベンターさんに教えてもらった千寿というラーメン屋が、偶然にもホテルから近かったので、雪まつり会場を横切り一目散に歩く。寒いので早足になっている。
時間が夕方4時ころということもあり店内はお客さんがおらず、王道だが品のある味のラーメンをすんなり食べることができた。
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そのまま雪まつりを見学し、中古レコード屋MILK RECORDへ。
信ちゃんはレコ屋の隣の指圧マッサージの店が気になるらしく、看板をじっと見ている。
夕飯まで少し時間もあるし行ってきたら?と、ここで別れて僕はホテルに戻り翌日の準備。

ほどなくLINEで「いっぱいでダメでした。夕飯どうします?」
「じゃ7時にロビーで。どっかそこら辺に。」
7時ちょうどにロビーへ降りると、すでに信ちゃんが待っていた。
狸小路あたりに行けばなんかあるでしょ、と言いながら外へ出ると、そこは極寒の地で「これ冷蔵庫より寒い!」とか「耳がいてぇ〜」とか騒いで10mも行かず断念し、目の前にあった居酒屋に入る。
ここが運よくいい感じの店で、料理もリーズナブルで美味しかった。

打上げだと友達やらスタッフやら関係者がいてワイワイという感じだが、この日は2人でしっぽりと飲んだせいか、それとも寒さのせいか(笑)、普段はあまりしない話もいろいろ出来た。
僕のような仕事や信ちゃんが今請負っているプロデュース業などは、うまく出来て当たり前みたいに思われがちで、一生懸命やってもあまり褒められることがないよねぇ…みたいな話。

それから昨夜の仙台ライヴで、自分はシンガーだったんだ!と再確認したという話。
これは冗談交じりだったが、何か新たな(もしくは忘れかけていた?)感触を掴んだということだろうから、とても嬉しくなったしツアーを企画した甲斐もあるってもんだ。

そして昨年秋に僕が開催したイベントについて。
「ヒロさんには言わないけど、僕もコータローさんも森山も、あのイベントは素晴らしかったけど赤字だったのわかるし、その穴埋めじゃないけれども、今後ヒロさんのやることに協力しようとみんな思ってますよ。」これには泣けた。

その後、雪まつり最終日のライトアップを一目見ようと大通り公園まで行くが、やはり寒くてそそくさとホテルへ戻る寒さに弱いおじさん2人であった。
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2.12 tue.
11時。ロビーに降りると、また信ちゃんは先にそこにいた。普段はどうか知らないが(笑)僕の前では時間をきっちりと守るお方である。
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外はやはり寒いが天気はいいので、10分ほど歩いてススキノ周辺まで行き、昨日から決めていたスープカレー「エス」でランチ。相変わらず旨い。
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その帰りには狸小路にあるFresh Air(中古レコード屋)へ。
2人で黙々とレコード棚を漁り、僕は前々から欲しいと思っていたソウル・サバイバーズを、信ちゃんはオーネット・コールマンをゲット。
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一旦別れて夕方前にロビーで再集合し、この日のライヴ会場となるレストランバー円山夜想(マルヤマノクターン:通称マルノク)へとタクシーで向かう。
雪が舞ってきたが、これだけ積もっているとさほど気にならないから不思議である。
レコード屋で別れたあと、信ちゃんは昨日のリベンジでマッサージを受けに行ってきたと、軽くなった肩をグルグルと回しながら報告してくれた。

マルノクに到着すると本間店長が相変わらずの笑顔で「ヒロさん、どうも〜。よろしくお願いします!」と出迎えてくれる。今回もいろいろと融通を利かせてくれて、感謝である。
信ちゃんを紹介し普段はVIPルームになっている楽屋へと案内されると「おぉ〜、居心地いい楽屋でイイっすねぇ〜」とご機嫌の様子で、ギターの弦を取り替え始める。

その間、手土産の萩の月を渡しにバーカウンターに行くと「ヒロさん、お久しぶりですぅ。わかりますか?」と、見覚えのあるライターを見せびらかしながら女性が微笑む。
記憶を一瞬で呼び戻す。「お〜!JUNCO!元気〜?」

JUNCOは札幌を拠点に活躍しているシンガーで、5年程前にチープ広石さん(元LOOKのSAXプレイヤー)とのデュオで仙台ライヴをやった際PAを担当させてもらい、打上げで盛り上がった挙げ句、僕のライターがカッコいいからちょうだい!と強引に巻き上げていった(笑)以来である。
彼女は歌っていない時たまにここで働いていると聞いていたが、昨年来たときは不在で会えなかったので、嬉しい再会になった。

ほどなくここでバイトしている和世も出勤し、ハグで再会を喜ぶ。
彼女の本職はヘアメイクなのだが、3年前まで仙台に住んでいて、当時から僕の仕事のよき理解者でもある妹的(年齢差から娘的?)存在である。

私事が長くなってしまったが、本来ならアウェイであるはずの札幌が、これからお客さんで来てくれる数人の友人知人なども含め、ホームのような感覚でいられるというのは非常に有り難いし、その空気は信ちゃんを取り巻く環境にも影響するはずなので、この日もいいライヴになるという予感がした。


サウンドチェック〜リハーサルは少し入念に行う。
というのも、ここはPA卓が入口受付カウンターの下にあることと、フロアが縦長なのでスピーカーが前方と後方に付いているため、音作りや調整にちょっと慎重になるからだ。

もちろんこの場所でやり慣れていない僕のせいなのだが、卓の場所ではフロアと同じ音が聞こえないので、何度も客席側へ行きチェックする必要がある。
本番では客席中央まで行けないので、PA席でこう聞こえる時は客席でこんな風に聞こえているというのを耳に覚え込ませシュミレーションするのだ。
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ステージ上はモニターがちょっと聞こえづらいと言うのでいろいろ調整したら、すぐにいい感じになったようで、信ちゃんには外音のことで時間を取らせてしまったが、嫌な顔もせず付き合ってくれた。


仙台と同じように2人で選曲したコラボCDRをBGMに開場となる。寒そうに、でもワクワクした面持ちでお客さんが続々と入ってくる。昨年知り合った地元の新聞記者K女史や、札幌音楽シーンのドン的存在T氏も駆け付けてくれた。
知り合いもちらほらで、久しぶりに会う顔もあり嬉しくなる。

そして信ちゃんから、もしかしたら来るかもと聞いていた達ちゃん(鈴木達也:SMILEのギタリスト)も本当に現れた。思わずハグしたが、すぐに「なんでいるの?」と訊いてしまった(笑)。ますますアウェイ感が減る。
本番前のマッカランは、今日は達ちゃんも交じって3人で乾杯。これはリラックスするための儀式みたいなもんである。(いや、本当に。酔うまでは飲みませんよ。)

ライヴは少しだけ押してスタートした。
待ってました!と言わんばかりの柔らかな拍手に迎えられ登場した信ちゃんは、北海道で待ってくれていたファンのみんなの顔を確かめるように客席を見渡し「お久しぶりで〜す。浅田信一で〜す」と歌い始める。この日も引き続き調子の良さそうな声だった。
客席が少しライトアップされていたのは、リハの時に「お客さんの顔が見えるぐらいの明るさがいいなぁ」と本人が言ったからだ。
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会場の作りがステージと客席が分かれていてほんのり明るいし、お客さんのほとんどがその姿を焼き付けようと真剣な眼差しでステージを見つめていることもあってか、前半は少し全体が緊張しているような、そんな印象だった。

遠距離恋愛の恋人同士が数年振りに会ったものの、待ち遠しすぎてどう接していいのか戸惑うような、そんな感じにも見えた。

そんな雰囲気を和ませようとしたのか、久しぶりに北海道で歌う想いもあっただろう。いろいろな事をきちんと伝えようと、言葉を選びながら丁寧に話す。そんなこの日のMCは、いつもよりちょっと多めだったような気がする。
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SMILE時代の曲、ソロになってからの曲がバランスよく並べられたセットリストは、とても心地よく歌の世界へと誘ってくれる。

1部が終わり楽屋へ行くと「なんかみんな静かだけど大丈夫かなぁ?」と信ちゃん。
でもその表情はにこやかで、不安ではなく客席はちゃんと楽しんでくれているかなぁ?という気遣いだとわかる。
「大丈夫だよ。シャイなだけでみんな楽しそうだよ。」と言い残し、フロアに戻る。

ドリンクをおかわりする人、トイレに行く人、誰もが紅潮した顔色で満足そうだ。お店のスタッフの人達の明るい声が、より会場内を落ち着かせリラックスさせる。
休憩が終わり2部へ。

手拍子も徐々に大きくなり、会場内が少しずつグルーヴしてくる。そしてその波動がステージに届き、信ちゃんの歌とギターと共鳴しながら広がっていく。達ちゃんも酔った顔で歌いながら手拍子している。
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前半の凛とした空気が嘘のように、温かな風が吹き心が軽やかになっていく感覚。
それはまるで、降り積もって固まった雪が春の訪れとともに溶けて流れていくような、とても札幌に似合う光景でもあった。

アンコールの時などはまさに割れんばかりの拍手で、実際の倍くらいのお客さんがいるのでは?と錯覚するほど。
それほどまでに待ち望まれていたのだろうし、この日のライヴ内容も素晴らしかったのだと再確認する。
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「また来年も歌いに来ます!」とステージを降りた信ちゃんは、大仕事をやりきったような清々しい表情をしていた。
そりゃそうだよなと思う。あの奇跡的とも思えた仙台でのライヴと遜色ないパフオーマンスをしたのだから、本人もきっと胸を撫で下ろしたのだろう。本当に素晴らしいライヴだった。


打上げはそのままマルノクで。
声を掛けていたシンガーソングライター・すずきゆいちゃんも合流し楽しく飲む。ゆいちゃんは信ちゃんのリクエストに応え、歌も披露してくれた。
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お店のスタッフが気持ちいいとアルコールも楽しく進む。

宴もたけなわになったころ和世が耳打ちしにくる。「ヒロさん、そろそろいい?」
実は事前に相談されていたことがあった。

簡潔に話すと、僕の友人の札幌3人娘というのがいて、和世とY(学生の頃から10年くらい仙台にいて、音楽とDJを教えて欲しいと弟子入りを志願してきた変わり者で震災のあと地元に戻った)とUなのだが、他の仕事で札幌に行った時に別々にライブに来てくれ紹介したところ、今では親友になっているという縁で、僕の仕事や活動にいつも協力してくれる。
その中のUが数日前に誕生日を迎えたので、サプライズでお祝いしてあげたいと相談されていたのである。奇しくもUはSMILEのファンであった。

こっそり厨房へと行き、段取りを決める。
「みんなでハッピーバースデー歌うから、ヒロさんケーキを持って出て来て!」と和世が言うが、ちょっと待てよ?とひらめいた。
僕の案を伝えると和世は嬉しそうに細い目をさらに細くし「いいの?それが一番喜ぶ!」
一瞬のうちに関係者に伝達しイベントの始まりだ。

打上げのテーブルに戻り僕が大声を出す。
「え〜皆さん、宴もたけなわですが、今夜はせっかくなのでサプライズライヴということで、浅田信一とすずきゆいちゃんによるスペシャルセッションが急遽行われることになりました〜!」
何も知らない10人程が、マジで〜?という声を上げステージ前に集まった。
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ステージに2人が上がりお辞儀をし、ギターを抱えた信ちゃんがセンターマイクの前、横にあるアップライトピアノにゆいちゃんが座る。
そして「KeyはCでね」という合図のあと、ハッピーバースデートゥーユー♪とギターとピアノに合わせ2人が歌い始める。
U本人も他のみんなも、えっ?誰かきょう誕生日?と回りをキョロキョロ見るが、ノリで全員大合唱だ。

歌い終わって信ちゃんがUを指差す。「お前だよ!(笑)」
そこにロウソクが灯ったケーキを、達ちゃんが満面の笑みで運んできてくれた。
えっ?わたし?
全員が拍手と笑顔である。本人はキョトンとしたあと笑ったまま涙を流した。

こうしてサプライズは大成功に終わったのである。
これは単に友人の誕生日を祝うということではなく、大変な状況の中でも明るく前に進んでいくムードメーカーUへの和世とYからの感謝と応援というハッピーな気持ちが、僕も含めてまわりを自然に巻き込んだのだろう。
何も言わず協力してくれた信ちゃん、達ちゃん、ゆいちゃん、ありがと〜。

それと札幌公演が平日になってしまったことについてだが、理由はふたつあった。
仙台の翌日(月曜祝日)という連日開催も検討したのだが、久しぶりのソロ弾き語りだということで、信ちゃんの喉に配慮したのがひとつ。
せっかく行くのだから、少しでもいいコンディションの声を聞いてもらいたいと思ったのである。

そしてもうひとつは仙台も札幌も雪の多い時期なので、当日移動でもし吹雪などのため飛行機が飛ばなかったらライヴが中止になってしまう。1日空けておけば最悪どちらかの日で必ず札幌まで行けるだろうと考えたのだ。
平日は仕事などでライヴを断念した方には申し訳なかったが、ご了承願いたい。

さて、ライヴの音に関してだが、たぶんどの席でもギターも声もクリアーに聴こえていたと思う。
終演後に達ちゃんが「ヒロ兄がPAやると、信ちゃんの声、やばいよ。何かが違う!」と昨日の2人の会話を聞いていたかのように褒めてくれた。
少し大袈裟だなと思いながらもやはりハッピーな気分になるもので「そう?酔ってたんじゃないの?(笑)。それより達ちゃん来てくれて、より楽しく飲めたよ。ありがとね。」と返す。

打上げを終えてホテルまでのタクシーの中、その小さなハッピーを信ちゃんに渡す。
そう。ハッピーは伝染するのだ。
「きょうのライヴも最高だったよ!来て良かったねぇ。」
「うん、本当に来てよかった。」
「歌が止まった時はアレンジでブレイクしたかと思ったけど。」
「そっか!ブレイクにしちゃえばよかったんだ。その手があったかぁ!」(笑)

この日集まったみんなが信ちゃんの歌でハッピーになり、また次の目標へと向かって日々を過ごす。
そしてきっと来年また札幌へ行った時には、そんなみんなのハッピーが今度は信ちゃんに伝染し、さらに素晴らしい歌をうたってくれるはずだ。

自分のためだけではない、誰かのためでもあるハッピーの連鎖。そんな素敵なことを思わずにはいられない夜だった。
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外の雪は粒が小さくサラサラで、街灯に照らされまるで星屑のようだった。


大阪編に続く。。。
by higehiro415 | 2013-02-26 23:53 | 音楽 | Comments(4)

MARTIN,GIBSON&ME in 仙台レポ

2013.2.10 sun.

いよいよライヴ当日ということもあるが、天気も気になり落ち着かない。
先月の下北440の日に降った大雪のせいで、Twitter上では信ちゃんと僕の組み合わせは悪天候コンビだと噂が飛び交っていた(笑)。

まぁこの時期の仙台は1年で一番寒くて雪も多いので多少の覚悟はあったものの、やはり雪男の汚名返上と何より集まってきてくれるファンの人達のことを考えると、天気には何とか持ちこたえてもらいたい気持ちだった。

主役の浅田信一氏を出迎えるため仙台駅へと向かう。空気はひんやりと冷たいけれど、綺麗な青空の様子から雪は大丈夫そうで安心する。
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今回の信ちゃんのミニツアーはライヴタイトルが示すように、MARTINとGIBSONという2本のアコースティックギターを従えての旅である。

一人で2本を持ち歩くのは手荷物を含めると困難で、GIBSONのほうは下北の時に僕が預かり、大阪まで1本ずつ手分けすることにしていた。
ケースに入れているとはいえ人様のギターを傷付けちゃいけないと扱いが神経質になるが、それはそれでこのツアーに自分も一緒に参加しているという気分をより一層強めてくれた。

新幹線の中からメールが届く。
「ピック買いたいんで楽器屋あります?」
どうやらボブ・ディランのライヴ映像を見ていたようで、ディランがピックを忘れてメンバーに借りるシーンが映し出され「あれ?」と確認すると、自分もピックを忘れてきたことに気付いたらしい。

荷物も多いし全会場ソールドアウトのご褒美にとグリーン車の切符を買い渡していたのだが、普通車なら狭くて映像など見ていなかったかもしれないので、こんな所で役に立ったなぁと可笑しくなる。

新幹線は無事に到着し、マスクをし冬装備の信ちゃんが改札口から出てきた。
「雪にならなくてよかった。先月のあれで悪天候運は使い果たしたね」などと笑いながら、僕の小さな車に荷物とギターを無理やり詰め込み、仙台駅から楽器屋経由で少し早いが会場のSENDAI KOFFEEに向かう。
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ホテルに寄ってから入り時間に合わせて向かってもよかったのだが、この日のために限定焙煎してもらった珈琲、特製ASブレンドを味見しようということになったのだ。
店に入るとすでに下見がてらにお店を訪れ、ASブレンドを飲んでいるファンの方もいた。

このASブレンドは友人のアイディアをヒントに、信ちゃんもコーヒー好きだしせっかくの初カフェライヴの記念にと、店のマスター田村君の協力のもと実現したものである。
詳しくは企業秘密らしいが自然乾燥のエチオピアモカハラーとブラジルを基本に、水洗式キューバを少しプラスしたオリジナルブレンドは、さっぱりした飲み口ながら深いコクもあり、2人で「旨いねぇ」と味わいながら、ステージはどこにしようかなどと打合せする。
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ここSENDAI KOFFEEはいろいろライヴもやってはいるが、本来は純粋なカフェなので楽屋(もちろん機材も)というものがない。
こういう会場でのライヴ経験が無く繊細な信ちゃんには、ちょっと緊張してしまい落ち着かないシチュエーションにもなりかねなかったが、この空間に慣れてもらうという意味でも、この珈琲タイムも良かったのではないかと後になり思う。

準備の時間が近付き、頼んでいたPA(音響)機材を持って後輩Sがやってきた。
ステージも機材もあるライヴハウスやライヴ仕様のカフェは、準備やあれこれ考えることが少なく楽ではあるが、ここのようにステージ位置を好みに設定でき、機材も自分で好きなものを持ってこられる環境は、今回のライヴの意味を考えても逆にプレミア感が増したのではないだろうか。

特に音に関しては、声とギターと会場全体が共鳴し、まるでアコギのボディーの中にいるような円やかで心地いい音にしたいと考えていたので、機材選定やスピーカーの配置などをその意図に合わせてやれたので、かなりイメージに近い音作りが可能になった。
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PA機材をセッティングしリハーサル。
基本は先月の下北で確認しているし会場は僕が何度も経験している場所なので、そこはスムーズに事が進む。
あとは信ちゃんがいかに気持ちよく歌えるか。焦点はそれのみである。

会場は音響特性や演者の視点は当たり前だが考慮されていない作りなので、先述した自由感とは逆の意味で、やりにくいと感じるミュージシャンもいるはずなのだ。
「音、どう?」と僕が訊ねる前に「やりやすいねぇ」と言ってきたので、ひと安心。

30分程でリハが終わり、開場を待つ。
のんびりやりたいということで、途中に休憩を挟むことに決めた。スタンバイはPA席隣の端っこのソファーで我慢してもらう。

受付嬢はラジオ番組で数々の有名ミュージシャンにインタビューをしてきた(もちろんSMILEも)、僕の古くからの友人で仕事仲間でもある美魔女(笑)富岡浩美ちゃん(フリーパーソナリティー/ベジフル・ビューティーアドバイザー)が、快く引き受けてくれた。

時間的にちょっと早いが、持ち込んだマッカランをグラスに注ぎ景気付けに乾杯する。
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開場時間になり受付を始めると、この日のために用意したASブレンド豆、2人で選曲した今宵CDRがどんどんと売れる。
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珈琲豆は生ものだし余ったら困るねということで3kg焙煎してもらったのだが、豆もドリンクもすぐに完売してしまった。飲めなかった方、本当にすみません。
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会場内に入り後方ソファーで待機する主役を見つけ、びっくりする人もいる。
どうしていいいかわかんないね。でも客入れの光景をこんなにゆっくり間近に見たことないし面白いなぁ〜、などと言いながら写メを撮る信ちゃん。

開演10分前になり、こういう状況だし登場どうしようかねぇ?と相談すると、ヒロさん前説して呼び込んでよ!とニヤリと言われる。
「いやいや無理だよ。PAだし。」
「大丈夫だよ。そうじゃなきゃ出ていかないよ(笑)。」
こんなやり取りで急遽僕の前説が決まった。

心の準備も出来ていないし人前苦手だし、何よりちょっと酔いが回り始めていた。
案の定しどろもどろのズッコケ前説となり後方の信ちゃんから野次られる始末で、集まった方にはライヴ直前に申し訳なかったが、まぁ地元ということで許して下さい。

そんな訳でゆるい感じで信ちゃん登場。割れんばかりの拍手と暖かい歓声と熱い眼差しがステージへと降り注ぐ。

ふくよかで柔らかなMARTINの音、芯がありエッジの効いたGIBSONの音、そこに浅田信一の珠玉の声とメロディーが解け合い響く。
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SMILE時代の曲も散りばめ、時にはiPadによるセンス抜群のリズムを使いながら、1曲1曲がキラキラとまるで外に残る雪の結晶の如く会場を包む。
まだ代々木でのファイナルがあるので詳しくは割愛するが、セットリストも少しいじってきていた。
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最新曲「無常の世界」のMCでは、この歌を作った心境を初めて知る。ここが被災地のひとつ仙台だということもあり、言葉のひとつひとつが胸に迫ってくる。
大震災の翌月、東京でのワンマンライヴでチャリティーTシャツによる義援金を募り、微々たるものだけど仙台と被災したペットのために役立てて欲しいと、僕にそれを託し寄付してくれた出来事が鮮明に蘇る。

もちろん自身の音楽であったり、このツアーに至る想いであったり、クスッと笑ってしまうようなくだらない話であったり、とてもパーソナルな浅田信一が浮き彫りになっていく。

休憩〜アンコールまで名曲のオンパレードで全18曲。
これまでとはどこかがひと味違う、彼の進化した姿に気付いたファンの方もいたであろう。
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会場全体がリラックスした雰囲気ではあったものの、実は隙のないステージというか、とにかくとても濃密な時間になったように感じた。

後説では受付を手伝ってくれた富岡浩美ちゃん、チケットを買って福島から見に来てくれたミュージシャンの堀下さゆり、いろいろ協力してくれたSENDAI KOFFEEの田村くん、機材の運搬と手伝いをしてくれたS、会場に集まってくれた皆さん、来られなかったけれど応援してくれた方々、そしてツアーを承諾してくれ任せてくれた信ちゃん、とにかくみんなへの感謝で頭を下げた。

天気や企画や時折匂ってくる珈琲豆の香りなど偶然も含め、すべての物や事や人のベクトルがこのライヴ、いや浅田信一という稀有なミュージシャンただ1点のみに注がれるという、パズルのピースがぴったりとはまったような2時間半。
大袈裟ではなく、音楽の神様が舞い降りた夢心地の空間であった。

この後の札幌・大阪・東京ファイナルのことを考えても、この日のライヴが重要な役割を果たすことになるという予測があったので、満足感というよりはこういう形で終わってとても嬉しかった。
ライヴ中の「今日は気持ちいいなぁ。毎月来て歌おうかな(笑)」というMCも、案外冗談だけではなかったりして。

そして皆さんの帰り際の笑顔をみて、やってよかったと心から思える夜になった。
客席の都合で何人かの知り合いに立見をお願いしてしまい、ごめんなさい。

打上げは信ちゃんが昔エフエム仙台にマンスリーゲストで出演していた時のパーソナリティーだった塚田順子ちゃんも仕事終わりで駆け付けてくれ、昔話から人生の話そして洒落た下ネタ(笑)まで、居酒屋〜レストランバーとご機嫌に飲む。
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楽しそうに飲む信ちゃんの姿を見ながら、彼の歌はその人柄と同じように、強引に耳に入ってくるような力強さではなく、音楽愛と優しさに満ちていてそっと心に寄り添うような、そんな人間味とリアリティーがあるよなぁ〜としみじみ思いながら、何度もスコッチウイスキーのお代わりをオーダーし、夜は更けたのであった。


札幌・大阪編に続く。。。
by higehiro415 | 2013-02-25 12:31 | 音楽 | Comments(4)
浅田信一ソロアコースティックライヴ『MARTIN, GIBSON & ME』仙台公演、早いものであと4日に迫ってきた。

今回の主催ライヴは特にサプライズがあるわけではないが、Twitterなどで予告した通り信ちゃんと僕が半分ずつ選曲した編集CDR(今宵CDR番外編)を、数量はさほど多くないが物販させていただく。

テーマはレアな音源とかではなく、シンプルに2人が好きなメロディーの洋楽。
はじめはお互いに選んだ曲をただ順番に並べようかとも思ったが、やはりアルバムとしてトータルの完成度も求めたいので、信ちゃんの選曲を待ってから曲順や雰囲気を考えて僕が残り半分を1曲ずつパズルのように当てはめている。

意外な曲もあるし、やっぱりね!的な曲もある。
いままさに作業中なのだが、バラエティーに富んだ素敵な1枚になりそうだ。
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そしてもう1つの目玉。
会場となるSENDAI KOFFEEのマスター田村くんに相談を持ちかけ、この日だけの特製ブレンド珈琲「ASブレンド」をドリンクメニューに加えてもらうことになった。
どうやら自然乾燥のエチオピアモカハラーとブラジルを基本にした、深煎りブレンドコーヒーらしい。
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2.10に美味しく飲めるよう、ちょうど今日焙煎が仕上がり店に届いたばかり。
そして10~15袋(100g)だけだが、この日のみ豆売りも行うことになったので、コーヒー好きの方で自分でドリップして飲んでいる方は、ぜひお土産にどうぞ。
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買わなくてもライヴのドリンクでオーダーできるし、時間の許す方は会場下見を兼ねて早めにお店に飲みに行ってみるのもいいかも。(2.10当日は13:00〜15:30まで通常営業)


そしてここからが本題。
県外からお越し下さる方のために、会場までの地図と簡単な道案内を。
MAPには近場のおすすめの店なども少しだけれど掲載してみた。

雪模様のため写真がわかりにくいかもしれないが、先日の東京ライヴでの大雪もあったので、もしかしたら2.10も降るかもと想定し、雪の中の撮影にした次第です(嘘です。偶然ですよ!笑)。

まずはJR仙台駅に着いたら、西口から出て地下鉄仙台駅まで。
南北線しか無いので乗り間違うことは少ないと思うが、泉中央行き(北方面)に乗車。

2つめの勾当台公園駅(こうとうだいこうえん)で下車。
公園2出口を目指して下さい。
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この駅は比較的深いところにあるので、長めの階段かエスカレーターで上へ。
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地上に出るとそこは定禅寺通(じょうぜんじどおり)。
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右手に市民広場、左手に三越が見えますが、無視してそのまま真っすぐ進んで下さい。
すぐ1つめの信号があります。渡って真っすぐ。
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吉野家、DOUTOR、MJQウエディング、Date FMサテスタを右目でみながら直進。
もうちょっと行くと2つめの信号。角にはベローチェ、先角にはLAWSON。
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そのまま信号を渡り直進すると、東京エレクトロンホール宮城(県民会館)という、ネーミングライツの結果どこの会館だかわからなくなった(笑)大きいホールがあります。
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そのまま直進すると3つめの信号。角にはモスバーガー、先角にはガソリンスタンド。
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そのまま信号を渡ると、ガラス張りの建物が見えてきます。
ここが、せんだいメディアテーク。中にはカフェや図書館などが。トイレも使用可。
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その3軒先に4つめの信号。
角にはガーデンヒルズ迎賓館(小さめの結婚式場)、先角は小さいコインパーク。
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ここを右折です!(道路は先方からの一方通行)
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しばらく進むと前方に信号が見え、その左手前の白っぽい古めのマンションの1階がSENDAI KOFFEEです。
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キュートな看板が目印。
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お店の入口はマンション通路の奥側です。
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中に入ると、不揃いだけどセンスあるイスとテーブルの素敵な空間。
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イケメンマスターとして評判のオーナー田村くんが笑顔で出迎えてくれるはず!
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彼は以前、僕の家の近所のカフェで働いていて、入り浸っていた僕と仲良しになり遊びでバンドをやったりもした仲間なのです。

コーヒーはもちろん、シナモンロールなども美味しいので、見つけたら是非!
今回はいろいろ無理なお願いをきいてもらい感謝。


とまぁ、こんな感じです。
簡易MAPは下記に添付しますが、要は地下鉄勾当台公園駅・公園2出口から出てそのまま定禅寺通を直進、4つめの信号を右折し、信号の左手前のマンションの1階です。
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なお仙台駅近くも飲み屋さんや食べ物やさんが、けっこうあります。
VINDOME(欧州大衆食堂ヴァンドーム)、仙臺居酒屋おはな(宮城の食材と地酒)、casa del sol(メキシコ料理カーサ・デル・ソル)などは、お気に入りの美味しいお店です。
気になる方はチェックを。


2.10の仙台はいまのところ、曇り時々晴れ・最低気温-2℃・最高気温5℃の予想。
とはいえ実際はその日になってみないとわからないので、雪の備えと暖かい格好で、少し早めの行動をおすすめします。
とにかくお越し下さる方々は、くれぐれもお気を付けて!

素敵な空間で、素晴らしいライヴを堪能して下さい。
ライヴタイトルにちなんで、音はギターのボディーの中にいるかのようなウォームな響きに包まれるサウンドメイクを施すつもりです。
そちらもお楽しみに。

では2.10にお会いしましょう!
by higehiro415 | 2013-02-06 19:54 | 告知 | Comments(3)