佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


by higemodern
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Made in UK.

1993年、29歳。すべてに行き詰まっていた。

バンドブームの中ひたすら仕事に没頭する毎日。
オーバーペースになり質の追求は二の次になっていた。
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バブルで浮かれたクレイジーな音楽業界人との付き合い。
(自分も十分クレイジーではあったが…)

幼児体験と精神の不摂生により、知らずに歪んだ恋愛観。


メンバー間の不仲により解散を余儀なくされた自身のバンド。
曲を作りギターを弾くことにも興味を失った。


もう音楽から離れるしかないと思った。
他の何かを見つけなければ、と。

きっかけが欲しくて渡英した。
いや、本当はすべてから逃げ出したかった。

旅行で3日しか滞在したことのない憧れの町、ロンドン。
007とサンダーバードを生み、ビートルズやポール・ウェラーらが息をしていた街。

はじめの1週間は、ただひたすら街を探索した。
ギャラリーやシアターや公園、カフェやパブやあちこちの通り。
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それだけで、いろいろなことを学んだ。

手ぶらに新聞だけ持っていると地元の人と仲良くなりやすいこと。
クイーンズイングリッシュが、僕らが学校で教わってきたアメリカンイングリッシュとかなり違うということ。
酒はベロベロに酔うためではなく、楽しく時間を過ごすために飲むのだということ。
レディーファーストやライン(1列に順番に並ぶ習慣)の概念。

平静を取り戻し始めた頃には、敢えて避けていたロックに関わるスポットを回り始めた。

ピート・タウンゼンドとキース・ムーンが住んでいたアパート。
デヴィッド・ボウイやストーンズがジャケ写を撮った場所。
プリテンダーズの1stが録音されたスタジオ。
ジミヘンがギターを修理に出していたギターショップ。
クラッシュがレギュラー出演していたライヴハウス。
P.ウェラーが散髪している床屋やオアシスのノエルが通うレコード屋などなど。

そしてナイトクラブやライヴにも通い出した。
クラブでは7inchのレア・グルーヴを回すDJに仲間に入れてもらい、ライヴハウスではPAのオヤジに頼み込んでサウンドチェックを見せてもらったり。

場末のパブへウィルコ・ジョンソンを観に行ったとき、背後から「こげんとこで、何しとっと?」と鮎川誠さんに声をかけられ、ライヴ後にウィルコを紹介してもらったこともったなぁ。
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クラブやマーケットでDJをやらせてもらい、路上ミュージシャンとセッションし、ライヴパブでPAを手伝わせてもらい、時には危ないことに手を出したり(笑)しながら暮らした。


この頃の話しをすると長くなってしまうので割愛するが、音楽に関わることに嫌気がさして逃げ出したロンドンだった筈なのに、気付くと前以上に音楽に刺激を受け恋している自分がいたのだ。


ただ、日本に戻って、また同じ仕事をしようとは思わなかった。
今までは目がいかなかった別のことがしたくて、レコードバイヤーとしてイイ音楽を日本に輸入紹介し、同時に地元仙台のクラブやライヴハウスシーンに底辺で協力できないかと考えるようになっていた。

それから何度も渡英しているが、この時こそが自分の人生の大きな転換期であり成長期であった。

何かを捨てれば新しい何かを得る!という自分なりの根拠と現在の仕事へのスタンスは、この時の体験が元になっている。


love & restart !
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by higehiro415 | 2010-06-05 12:20 | 日記