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佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


by higemodern
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勝手にCDライナー

先月〜今月は立て続けに、お手伝いしている仙台のインディーズ2組のCDがプレス工場より出来上がってきた。
僕なりにライナー的なものを書いておきたいと思う。


The黄昏カラアズ「真夜中4時のブルーズ」
5曲入り2nd Mini Album. ¥1500(先行販売中。10/27全国リリース)

仙台を中心にライヴハウス、酒場、町のお祭りなど神出鬼没の活動を繰り広げている4ピースバンド。
R&R,Blues,Folkなどのルーツミュージックを現代風に消化し、ボーカル・Theシミーが人間味溢れる強烈なキャラクター(清志郎~どんとの流れを汲むボーカリスト!と言ったら褒め過ぎだろうか?)で歌い上げるピースフルな呑んだくれ楽団だ。

まだ荒削りでけっして演奏が上手いとは言えないが、R&Rのくせになんかキャッチーでほのぼのとしてて、何より古き良き時代の音楽への愛情がほとばしる感じがいい。

以前1st Mini Albumを出しているのだが、サウンドの面でしっくりきていなかったようだ。
主流のデジタルマルチ録音で録ったそのCDは、僕も聞いてみたが確かにパンチ不足というか、いまひとつバンドの持ち味が出ていないように感じた。

昨年どこかのライヴ会場で見かけてから話をするようになり、今年になっていろいろ相談を受けているうちに意気投合し、試しにレコーディングしてみよう!となり出来たのが今回の「真夜中~」である。

The黄昏カラアズの個性を引き出すために、アナログでの一発録りをやってみたのが4月ころ。
音入れのレコーディング日数は、わずか1日だった。

録音は、とあるリハスタに僕の機材とマルチレコーダーを持ち込んで「せ~の!」でライヴレコーディングした。
いまはアマチュアでも24トラックは使っているだろうが、このCDは12トラックのみ。

そんな訳で後の編集にも限りがあるので、とにかくマイクセッティングには知識と工夫を凝らしたつもりだ。
サウンドプロデューサーやエンジニアの重要性をわかってもらうためにも、意地でも失敗はできない。

当初はこれをデモにし、今後のことについて考えるつもりだったのだが、その後ミックスをしてみると(これも相当苦労したが1日で終了)なかなかイイ感じに仕上がりそうだったので、とりあえずリリースしよう!となったのである。
もちろんマスタリングには時間をかけ、こちらも裏技を使いようやくマスターができ完成したのがこのCDだ。

演奏もレコーディングも初期衝動だけで仕上げたものなので、すでに次への反省点は多々あるのも事実だ。
それでもライヴバンドである今のThe黄昏カラアズの等身大の魅力は、ダイレクトにパッケージできたと思っている。
2ndではあるがいろいろな意味で、事実上の1stと言えるだろう。

オビにはTHE PRIVATESの延原達治氏が素敵な推薦文を寄稿してくれた。Thanks !

さて今週末は東京での初ライヴなので、どんな反応で迎えられるのか怖くもあり楽しみでもある。(PA&道案内で同行w)
10/16(土)浅草橋 ブンガジャン
¥2000(Drink別)19:30start(イベントでの出演です。20:50~予定)

オフィシャルwebサイト http://the-tasogare-colors.com/ 
LinkでPVも観れます!


そしてもう1枚。
幹(MIKI)「ハレル夜 / Green doorway」
2曲入りNew Single ¥1200(先行発売中。12月下旬全国リリース)

仙台を中心に活動する宮城県蔵王在住のシンガーソングライター。
尾崎豊、浜田省吾などを手掛けた音楽プロデューサー須藤晃氏に見いだされ、’06年に村下孝蔵トリビュートアルバム「絵日記と紙芝居」に唯一アマチュアで参加した逸材だ。

「もがき」と「癒し」が同居した声と楽曲は、派手さはないものの確実に人の心の奥底に響いてくる不思議な魅力を放っている。

僕との出会いは3年前。
1st自主シングルのリリースライヴで、その声にノックアウトされたのがきっかけ。
何かの縁なのか、ほどなくして事務所の社長さんから「仙台で本格的に活動していきたいのでサウンド面を中心に手伝って欲しい」と連絡がきた。

当初は彼女が音楽活動を始めて間もなかったし、何せ繊細な子なので普通に会話するまでの1年間はライヴPAくらいしか手伝えることはなかった。
しかしライヴをこなし自主制作シングルを作るようになると、サウンドプロデュースやアレンジなども任せてくれるような信頼関係が出来上がってきた。

一昨年には僕がツアーで回っていた坂本サトル氏に彼女を紹介したところ、非常に気に入ってくれてライヴにゲスト参加させてくれたり、最近では、あんべ光俊さんの希望で彼の曲をカバーしたりと、活動の幅も広がってきている。

そしてこの「ハレル夜」は、現在宮城県でのテレビCM(仙台ゆりが丘マリアージュ・アン・ヴィラ)に使用されている人気の曲である。

もともとピアノ1本で歌っていた曲ではあるが、CMのためにバンドアレンジバージョンを作ったのが始まり。
結局は予備で出したピアノバージョンがCMに採用になり、30秒のみのバンドアレンジはお蔵入りになるところだったのだが、関係者やCMを見た方々からCDはないのか?との問合せが多く、まるまるアレンジし直して新しくレコーディングしたものだ。

ピアノだけだと聖なる感じの曲だが、結婚式場のCMソングでもあるし希望のある歌詞なので、何とかハッピーな感じを付け足したくて、構成やコードやメロを変えたりしながら出来上がった。
演奏してくれたサポートメンバー(全員仙台のアマチュアミュージシャン)も頑張ってくれて、時間はかかったがイメージ通りに仕上がったと思う。
(後奏が長いロングバージョンはアルバム用にとっておく!w)

カップリングは最近の曲でライヴで人気の高い「Green doorway」に決めた。
何曲か候補があったのだが、カップリングにはこれしかない!と言い切った。
とても優しいメロディーでどこか懐かしくもあるこの曲は、幹ちゃんの新境地であると思っていたからである。

歌の意味を深めるためとハレル夜とのバランスを考えて、アレンジはシンプルでアコースティックな感じにした。
こちらは入れた楽器やコーラスなどをどんどんカットし、引き算でミックスした。
結果、とても温かみと透明感が同居した感じに仕上がっている。

幹ちゃんの声・ボーカルが、ほんとうに素晴らしい!

そうして、カップリングではなく両A面でリリースすることになった。
2曲ともバリバリのデジタル録音だが、いろいろな工夫をしアナログ感のあるふくよかなサウンドにしたつもりである。

ここしばらくはプロモーションのためのライヴ&キャンペーンの予定。
詳しくはオフシャルwebサイト http://miki.friendhp.com/
余談だが幹ちゃんの天然キャラはライヴMCやゲストトークで遺憾なく発揮される(笑)


そんな感じで、地元のライフワークとも言える2アーティストのCDリリースノートでした。
音楽性もキャラクターもかけ離れた2組だけれど、僕の静と動の部分にぴったりリンクしているし、どちらも不可欠なバランスでやれているので出会えて幸せ。

皆さん、若き才能と情熱、応援よろしくお願いします!


あとは何とかCDが売れて、早めに次のアルバム(2組とも春までに予定)制作に取りかかっていければいいなと思う。
あっ、僕のほうでも2枚とも先行販売しているので、ご希望の方は連絡下さい。
by higehiro415 | 2010-10-15 00:51 | 音楽