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佐藤ヒロユキ。仙台在住のMOD音楽職人(サウンドエンジニア&プロデュース/レーベルなどやってます)アナログレコード好き1963年生まれ。GROOVE COUNCIL代表。http://groovecouncil.jimdo.com/


by higemodern
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開場BGMの役割

今回のコレクターズTour新潟&東北のPA(音響)を担当するにあたり、またしても開場時の客入れBGMを作らせてもらった。
開場BGMの役割_f0210751_22103912.jpg

セットリストを参考にしつつ、ドアオープンし待ち侘びたオーディエンスでフロアが段々と埋まっていく様をイメージしながら、あれやこれやと選曲していくのは、とても楽しい作業である。

ライブが始まるまでわずか30分だが、期待に胸を膨らませ待っていると、意外に長く感じるのは僕だけではないだろう。

その間のウォーミングアップというか食前酒的なものというか、物販コーナーでグッズを手に取ったりしながら会場内に流れるライブ前の音楽で気分をほぐしたり盛り上げたり、BGMにはそんな役割があるのではないだろうか。

そんな訳でたかがBGMとはいえ、それを作る作業にはかなり力が入ってしまう。
今回も5回作りなおして、ようやく納得できるものが出来た。

選曲はテーマを決めたのですんなりいったのだが、曲順と曲間で手間取ったのだ。
これは自分のこだわりでしか無いのだろうが、いい曲をただ選んで並べればいいというものではない。DJ感覚で作り上げていく。

実際に開場になり少しずつ人が増えていき、だんだんと熱気を帯びていくのに波長を合わせたり、また時にはワクワクを音で誘導したり。
BGMやDJにもライブ感がとても大事なのは経験上何度も学んできた。

一番印象に残っているのは、だいぶ前だがZepp Sendaiでジョンスペのワールドツアーの前座DJを任されたときだ。
かける曲で何千人ものフロアのオーディエンスが横揺れしたり、手を振り上げたり。

自分の好みだけによる強引な選曲だとやはりノリが悪く、時間の流れに沿って、出演者の音に合ってはいるがモロではない選曲で進めていくとノリが良かった。

その日のオープニングに向かっていくドラマというか、お客さんの気持ちの高鳴りとリンクし、ライブをより引き立てるというのがナイスなBGMではないか?というのが僕なりの答えだ。

更には出演者にとってもテンションの上がるものであれば、なおいい。
あの日はジョン本人もとても喜んでくれ、楽屋にあった大量のビールをプレゼントされた(笑)

それと余韻も大切だろう。曲を矢継ぎ早につないでいく良さもあるが、例えばカットアウトで終わって、少し余韻があって次の曲のイントロが聴こえたほうが効果的な場合もある。

まぁこれは感覚的なものなので、超のつく嗜好品なのかもしれないが、とにかく自分がオーディエンスだったら?と想像しながら作っている。もちろんライブのオープニングにつながるように。

そしてそれをCDRに焼き、プレイヤーで再生して、曲の並び、曲と曲の間、音質や音量、キーの感じをチェックするようにしている。
まぁ実際に開場時に試してみて、またいじったりもするのだが。
ここまでくると、ほとんど病気だと自分でも思う(笑)

余談だが、どんなに素敵な店でも、BGMや音量がいい感じじゃないと、なんか居心地悪くなったりしませんか?僕はします。

さて、明日と来週末、どんな曲が流れるかは聴いてからのお楽しみだが、60年代から90年代、モッドなレアナンバーからお馴染みのロックナンバーまでをセレクトしてみた。

少しでもライブという夢への導入剤として機能し、素敵な時間作りの手助けが出来たら幸いだ。

あ、ちなみに日曜日の代々木は、この日のために制作したコラボCDRをかけますよ。
これも素晴らしい出来です!

by higehiro415 | 2014-08-22 22:09 | 音楽